タラップに憧れて

タラップ、搭乗口の高い飛行機に乗るための階段だ。大きな飛行場ではターミナルから
直接通路が伸び、登場できるようになりタラップを使わない事が多い。しかし、ローコストキャリアや乗り入れ本数の少ない航空会社の飛行機に搭乗する際は、ターミナルから離れた飛行機にバスで移動し、そこでタラップを使って登場することもある。

自分がタラップを初めて知ったのは小学生の頃だったと思う。日曜日の夜に放送されていた「アップダウンクイズ」で見たのが、タラップとの出会いだった。
もう25年ほど前のテレビ番組で一般人が回答席であるゴンドラに乗ってクイズに答える
正解するとゴンドラが上にアップし、不正解の場合は下にダウンする。正解を重ねて10段階ゴンドラが上がると優勝。ハワイ旅行が獲得でき上に上がっているゴンドラにタラップが接続され、レイをかけられ誇らしい顔で優勝者がタラップを降りてくる。

その時に親からタラップという物を教わった、他にも当時人気にあったテレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」で、東京-グアムの飛行機機内で数百問の筆記試験が実施され、試験の合格点以下の不合格者は到着したグアム空港のタラップを降りた時点でブザーが鳴りグアムの地を踏むことなく飛行機に逆戻り、そのまま日本に返される。というルールがあった。

この番組でも「タラップ」という物を強く意識した。まだまだ海外旅行が珍しく高価で
庶民には高嶺の花の時代、子供心に自分には関係ないやと言う気持ちと階段が動くという機能美的な魅力をタラップに感じていた。もう、タラップという物に憧れていたのだと思う。

時は過ぎ自分も22歳になった。就職して初めて入った会社の社員旅行がハワイだった。子供の頃からそれまですっかり忘れていた。タラップへの憧れが蘇ってきた。ついに初タラップ!と心躍らせたが残念ながらターミナルから直接の登場でタラップに出会うことはなかった。

その数年後、結婚し夫婦でロシア旅行をした際に、成田発のアエロフロート機がタラップを使用しての搭乗だった。「あのタラップを昇れる!」一挙に何年も前のタラップ憧れの気持ちが戻ってきた。嬉しくて嬉しくて一歩一歩噛みしめ踏みしめタラップを昇った。

その後、バックパッカーになり、各国の小さな空港や国内線などタラップでの搭乗を何度も経験するようになったが、いまだにタラップは嬉しい。

子供時代の海外旅行・飛行機への憧れや夢を、今実現しているんだと嬉しく誇らしくもある。しかし、タラップで飛行機を降りるときは、最後の一歩で不合格のブザーが鳴りそうで緊張する。

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