ユーロ危機ってどうなったの?

ギリシャに端を発したユーロ危機、日本でも昨年くらいまでは
盛んにニュースで報道されていたが
「ひょっとしてユーロ危機って回避できたの?」と
思ってしまうくらい、最近はあまり聞かなくなった。

しかし、時間が解決してくれるほど甘い物ではなさそうだ。
実際、欧米では報道が盛んにされている。今まだそこにある危機のままだ

そのユーロ危機についてフィナンシャルプランナーの丸山氏に話を聞いた
まず、真っ先に気になるのが「ユーロ危機は収束しつつあるの?」という疑問だ
そこをぶつけてみると、キッパリ「収束していません」と答えた。ギリシャについては「とりあえず」破綻を先延ばししている状態
労働人口の2割とも言われている公務員改革実施や債権者との交渉など
計画されているが進んでいないのが現実だ。
今だに「とりあえず」の状況を脱していないという。

しかし、ユーロ危機というと「ギリシャ」と頭に浮かぶが
ポルトガルやイタリアも「次のギリシャ」と言われており
ユーロ圏全体が逼迫した状況なのは今も変わらないようだ。
そんなに問題があるユーロ、もう解消したらどうだろう?と
素人考えで思ってしまう

しかし、ユーロ解消にも財源が必要になり各国にその余力がない。
また、ユーロ建ての債権を世界中に売ってしまった今
やっぱりユーロ無しよというわけにも行かないようだ

行くも引くも出来ない状態の欧州統一通貨ユーロ、
ひょっとして失策だったのでは・・・
しかし、丸山氏はユーロ統一通貨を作ったこと自体は
欧州各国の経済状況を考え間違えではなかったと考えている。
しかし、運営の仕組みに誤りがあったという。

財政政策や社会政策は各国バラバラで運営しているのに
欧州中央銀行という1つの銀行で政策金利などを統一しているユーロ
これではダメな国の尻拭いを優秀な国がしなくてはならなくなる。
なるほど、こう聞くとドイツの首相が怒っていたことも納得できる
ただ、この問題は新しく発生した物ではなくユーロ統一通貨導入時から
分かっていた事で、今まで対策をしなかったことが問題である

裏を返せば、やるべきことをやれば、ユーロ圏の強化は見込まれる
まだまだ成熟していない経済圏だと丸山氏は語った。
最後にいま危ないとされているギリシャが破綻した場合の
日本への影響を聞いたところ、「織り込み済み」の部分が多いため
日本経済全体の影響は少ないのではないかと丸山氏は見る。
ただし、ギリシャ国債と関係している投資をしている方は注意が必要だ
日本ではユーロ危機の報道が少なくなっているが

まだ、飛行機で数十時間かかる欧州では危機は現在進行形だ。
第二の基軸通貨として2001年に生まれたユーロ
10年を越えた、今正念場を迎えているようだ。

丸山清志氏:フィナンシャルプランナー事務所SECURO代表(2005年創業)
FP相談業務の他に執筆業、講演、通訳・翻訳業で御活躍中

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